トルバプタンに関し、EMAが医薬品販売承認申請を受理
大塚製薬株式会社が、欧州における常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の治療薬「トルバプタン」(一般名)として欧州医薬品庁(EMA)に提出した医薬品販売承認申請が受理されたことを発表した。
「トルバプタン」は、大塚製薬が開発した薬剤で、バソプレシンV2-受容体拮抗作用により水だけを出す利尿剤として、世界14カ国・地域で使用されている経口治療薬である。
(画像はニュースリリースより)
ADPKD
ADPKDは、腎臓に多数の嚢胞ができ腎臓が大きくなる病気である。特徴としては高血圧や腎臓の痛みがあり、進行が進むにつれて、腎機能が低下し最終的に腎不全に至る遺伝性の疾患である。ADPKDは、両方の腎臓に嚢胞が増殖・増大していくことによって、次第に腎機能が低下し、ADPKD患者の約50%が末期腎疾患や腎不全となり、60歳になるまでに透析治療が必要になるとされている。
現在、維持透析治療中の10%はADPKD患者であると考えられており、欧州には、約20万人のADPKD患者が存在すると報告されている。
トルバプタンのバソプレシンV2-受容体拮抗作用
この疾患に対しては、「トルバプタン」が持つバソプレシンV2-受容体拮抗作用によって、ADPKDの腎嚢胞の増殖・増大を抑制することで、疾患の進行を遅らせること可能であると考えられている。そして、1,400人以上のADPKD患者を対象に世界15カ国で国際共同開発試験を行ってきた。
その試験結果は、「トルバプタン」は、プラセボと比較し腎臓の容積の増加率を約50%有意に抑制することが証明されているというものであった。現在、日本では承認申請中であり、米国においては、FDAの審査完了通知を受けて、現在追加データなどについて協議を続けているところである。

大塚製薬株式会社ニュースリリース
http://www.otsuka.co.jp/company/release/2013/1227_01.html