ボスニチブに対し、慢性骨髄性白血病の効能・効果で製造販売承認申請
ファイザー株式会社は、既存の治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病(以下、慢性骨髄性白血病を「CML」と省略)の効能・効果で、経口SRC/ABLチロシンキナーゼ阻害剤ボスチニブの国内における製造販売承認を申請したことを発表した。
ボスチニブについて
ボスチニブは、ファイザー社が開発した新規の経口SRC/ABLチロシンキナーゼ阻害剤であり、BCR-ABL伝達系を阻害することにより、抗腫瘍効果を発揮する。国内では、2007年よりイマチニブ抵抗性または不耐容のCML患者を対象に臨床試験が開始された。
ボスチニブは、2012年9月に米国で、2013年3月に欧州連合(EU)においてBOSULIF(R)の製品名で承認されている。
適応症は、米国では「過去に治療歴のある成人の慢性期、移行期、または急性転化期のフィラデルフィア染色体陽性のCML」、EUでは「少なくとも1つのチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による治療歴があり、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブが適正な治療オプションとして効果が見られない成人の慢性期、移行期、または急性転化期のフィラデルフィア染色体陽性のCML」である。
なお、日本では「既存の治療薬に抵抗性または不耐容のCML」を対象として、2013年12月に稀少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定された。
CMLについて
CMLは、多能性造血幹細胞の異常が原因で発症する白血病であり、95%を超える患者が9番染色体と22番染色体の転座により形成されるフィラデルフィア染色体が存在することを特徴としている。日本におけるCMLの年間発症率は人口10万人に対して約1人であり、この数値は全白血病患者の15~20%を占めている。
現在CMLに対する1次治療の選択肢としては、選択的BCR-ABLチロシンキナーゼであるイマチニブ、ダサチニブまたはニロチニブによる治療、もしくは同種造血細胞移植がある。だが、1次治療で十分な治療効果が得られない、あるいは副作用により投与中断をせざるを得ない患者も存在する。このことも含めて、2次治療および3次治療以降においては、未だメディカルニーズは高いといえるだろう。

ファイザー株式会社ニュースリリース
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2013/ファイザー株式会社
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