抗マラリア薬の共同研究開発についてMMVと契約締結
武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品工業)は、一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund)の第1回助成案件に選定されたMedicines for Malaria Venture(以下、「MMV」)の抗マラリア薬DSM265の開発およびELQ300の製剤化について、MMVと共同研究開発を実施する旨の契約を締結したことを12月24日付で発表した。
急速に高まっている抗マラリア薬の必要性
マラリアは熱帯を中心に亜熱帯から温帯まで猛威をふるっている寄生原虫感染症であり、プラスモジウム(Plasmodium)属に属するマラリア原虫感染によって起こる世界3大感染症の一つである。
近年、殺虫剤耐性の蚊や、マラリアの特効薬として多用されてきたクロロキン耐性の熱帯熱マラリア原虫が出現し、既存の抗マラリア薬では治療できないケースも増えている。また地球温暖化に伴うマラリア感染危険地域の拡大も懸念されている。そのような状況下で、現在、新たな抗マラリア薬の必要性が急速に高まっている。
次世代の持続作用型抗マラリア薬 DSM265とELQ30
DSM265およびELQ300は、マラリア原虫内の特定の酵素の働きを選択的に阻害する持続作用型抗マラリア薬だ。
発表によると、DSM265は現在、実施中の臨床第1相試験にて良好な安全性プロファイルが示されており、ELQ300は、低用量でマラリア予防および治療を可能にする次世代の薬剤として期待されていて、現在は前臨床試験の段階にあるとのこと。
武田薬品工業は本契約に基づき、DSM265の臨床試験について、研究開発における専門知識を用いながらMMVをサポートし、また同社が有するCMC (Chemistry, Manufacturing and Controls)に関する知識・技術を活用することで、難しいとされるELQ300の固形経口剤への製剤化に協力していく方針だ。

武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2013/20131224_6105.html