今回の新薬製造販売における申請内容
MSDは2013年12月24日に、vaniprevirと呼ばれるC型慢性肝炎の治療薬につき、製造販売承認申請を行いました。この薬剤はアメリカのMerck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J. U.S.A.社が開発したもので、今回の承認は製造販売を日本のみに限定して申請しています。
Vaniprevirはプロテアーゼ阻害剤の一つであり、NS3/4Aプロテアーゼを阻害することによって、C型肝炎ウィルスの増殖を抑制する薬効があります。国内ではすでに、第III相臨床試験が実施され、同試験ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎に対して、同薬剤とペグインターフェロン及びリバビリンを併用した結果を、従来からあるペグインターフェロン及びリバビリン併用療法のそれと比較しました。
その結果として、Vaniprevirとインターフェロンなどの併用結果のほうが、より短期間で抗ウィルス効果が得られ、より良好な忍容性が確認されました。
C型慢性肝炎の概要
C型慢性肝炎は肝臓が、C型肝炎ウィルスによって持続感染し、さらに炎症を起こしている疾患を指し、ほとんどのケースにおいて肝炎を伴います。C型肝炎ウィルスはその遺伝子配列の違いにより大きくわけて6つの型にわかれていることが確認されており、それぞれジェノタイプ1-6の名称がつけられています。これらはさらに細かく分類され、日本におけるC型慢性肝炎患者のほぼ全てが、ジェノタイプ1b, 2a, 2b型のいずれかにあてはまるといわれています。
インターフェロン療法は、ジェノタイプ2a, 2b, 1bの順に効果が現れやすいとされており、C型慢性肝炎に対する治療は、原則として抗ウィルス治療です。なぜなら、ウィルスを排除することによって、肝細胞がんの発生を防止し、肝疾患関連死の危険性を低下させることにつながるからです。

MSD株式会社 プレスリリース
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