有機分子触媒プロセスを用いて
IBMとシンガポールのInstitute of Bioengineering and Nanotechnology(バイオ工学・ナノテクノロジー研究所)の研究員は再生プラスチックをナノファイバー治療薬に変換することに成功した。
これは一般的に普及しているプラスチック材料であるポリエチレン・テレフタレート(PET)を、真菌感染症を特異的に攻撃するように分子設計した非毒性生体適合性材料に変換することに成功したもの。PETは通常、機械で粉砕されることによってリサイクルされ、二次製品のみにしか再利用できなかった。
今回の研究は有機分子触媒プロセスを用いてPETを抗菌薬に転用可能な新しい分子に転換することに成功したもので、非常に画期的なものといえる。研究成果は学術的ジャーナル・Nature communicationに掲載された。
真菌感染症には10億人超が感染
水虫といった局所皮膚疾患から生命をも脅かす真菌性血液感染症に至るまでの真菌感染症には、毎年10億人を超える人が感染している。感染症は持病や抗生物質による治療で身体の免疫機能が低下しているときに発症する可能性が高く、薬剤耐性問題を軽減するため効率的で疾患特異的な抗菌薬の開発が早急に求められている。

IBM ニュースリリース
http://www-06.ibm.com/jp/press/2013/12/1001.html