白内障からアルツハイマー病まで治療
オレゴン健康科学大学の研究者らによる研究チームは、嚢胞性線維症から白内障、アルツハイマー病など、異常な折りたたみ構造のタンパク質によっておこる広い範囲の疾患に有効な革命的な新技術をネズミで実験した。
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遺伝子の突然変異によっておこった異常な折り畳み構造のタンパク質はその機能を維持することは可能だが、通常通りに働くことができず、疾患をひきおこす。オレゴン健康科学大学のチームは、細胞に侵入する分子を使って、このタンパク質を治療する発見をした。
チームはネズミをつかっての研究で、雄が子孫を生み出すことができなくなる疾患を治療した。同様の疾病課程が人間でもおこるため、チームは同様の概念がヒトの疾患でも機能すると考えている。
「異常な折り畳み構造のタンパク質によって多くのヒトの疾患が引き起こされます。ファーマコペロンと呼んでいるこの薬剤は異常なタンパク質を治療し、通常通りに戻す働きがあります。いつの日か、多くの疾患の治療法として使用されるでしょう。細胞内で分子を調整する薬剤は、まったく新しい疾患治療法なのです」(コン・ジャノヴィック氏――プレス・リリースより)
不活性のタンパク質を見直す
タンパク質はヒトの細胞内で機能するには正確に3次元構造をしていなければならない。近年になって異常な折り畳み構造のタンパク質の発見がなされるまで、科学者らは不活性のタンパク質は本質的に機能しないと考えていた。
しかし、コン氏らの発見により、タンパク質が異常な折り畳み構造をしている場合、細胞のクオリティ管理システムがタンパク質を間違った経路で送り、そのために機能障害が起こる。ファーマコペロンはこれを治療する働きがある。

New Drug Approach Could Lead to Cures for Wide Range of Diseases
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/12/