エドキサバンに効能追加承認
第一三共株式会社は、日本で販売している抗凝固剤(経口FXa阻害剤)リクシアナ(R)錠 (一般名: エドキサバントシル酸塩水和物)に関して、国際共同試験(日本を含む)として実施したENGAGE AF-TIMI 48試験ならびにHokusai-VTE試験の結果に基づき、非弁膜性心房細動(AF)および静脈血栓塞栓症(VTE)、両方の適応症について承認申請を行ったことを発表した。
さらに、欧米においても、この両方の適応症に対して承認申請を行う予定であるとの発表もあった。
リクシアナ(R)錠は、2011年7月より、日本において下肢整形外科手術(股関節全置換術、股関節骨折手術、膝関節全置換術)を行った患者に対して静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応で販売している。
ENGAGE AF-TIMI 48試験
非弁膜症性心房細動(AF)患者を対象に、エドキサバンを1日1回60 mgおよび30 mg経口投与した場合における有効性の検証と安全性の評価を目的とした。
ワルファリンを対照とした無作為に、二重盲検比較試験を実施した結果、全身性塞栓症および脳卒中の発症を抑制する効果について、エドキサバンがワルファリンに対し、劣性ではないことが検証され、重大な出血があった場合においても、ワルファリンに対する優越性があることも示された。
Hokusai-VTE試験
肺塞栓症(PE)患者における症候性静脈血栓塞栓症(VTE)および急性症候性の深部静脈血栓症(DVT)患者の治療または再発の抑制に対して、エドキサバンを1日1回60 mg経口投与したときの有効性の検証と安全性の評価を目的とした。
ワルファリンを対照とした無作為に、二重盲検比較試験を実施した結果、静脈血栓塞栓症の再発を抑制する効果について、エドキサバンがワルファリンに対し、劣性ではないことが検証され、重大な出血があった場合においても、ワルファリンに対する優越性があることも示された。
心房細動と静脈血栓塞栓症(VTE)について
心房細動は、先進国では、約1~2%が罹患している疾患で、心拍数が速く不規則になり、脳卒中を引き起こすことのある病気である。
脳卒中は、世界中で死亡原因の2番目にあげられる疾患であり、毎年、約620万人が死亡している。罹患患者は心房細動に罹患していない患者と比較して、脳卒中のリスクが3~5倍高くなる。そして、心房細動に伴う脳卒中患者の死亡率は、心房細動を伴わない患者と比較して約2倍とされている。
VTEは、DVTとPEの総称である。DVTは、血栓が脚、骨盤、腕などの深部静脈に形成される疾患である。PEは、深部静脈で形成された血栓の一部が、肺に流れることによって、肺動脈を閉塞し、致死的な状況をもたらす疾病である。

抗凝固剤エドキサバン(リクシアナ(R)錠)の日本における効能追加承認申請のお知らせ(ニュースリリース)
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006048.html第一三共株式会社
http://www.daiichisankyo.co.jp/index.html