協和発酵キリンと久光製薬による癌疼痛治療剤の共同販売
協和発酵キリンと久光製薬は癌疼痛治療剤である、アブストラル(R)舌下錠100μg、同200μg、同400μgを新発売することを発表しました。
アブストラル(R)(一般名:フェンタニルクエン酸塩)は、強オピオイド鎮痛剤を提示投与することで癌による持続的な疼痛を管理する際に発生する急激な痛み(突出痛)に対する治療剤であり、主な薬効としては、舌下投与によって有効成分フェンタニルの素早い吸収と鎮痛効果を挙げることができます。
本剤は1回の突出痛に対して、100μgを開始用量として舌下投与することとされ、その後の症状に応じて、用量を段階的に引き上げ最大800 μgまで投与できるものとされています。また、投与の頻度に関しては、通常前回の投与から2時間以上の投与間隔を空けることを原則とし、十分な鎮痛効果が見られない場合は、投与から30分後以降に前回の投与と同量を1回のみ追加投与できます。しかし、1日あたりの投与回数の上限は4回までとなっています。
アブストラル(R)の国内外での承認・販売状況
本剤に関しては、国内において実施された臨床試験において、有効性及び安全性が確認され、2013年9月20日に国内製造販売承認を取得、同年11月19日には薬価基準に収載されました。
本剤はスウェーデンに本社をもつオレクソ社より導入しており、海外では、「Abstral(R)」等の名称ですでに販売されています。また、同名で協和発酵キリン子会社であるプロストラカン社(本社:イギリススコットランド)が、欧州において販売中です。
協和発酵キリンと久光製薬は、2010年2月にアブストラル(R)の国内共同販売契約を締結しています。そのため、今後同剤の製品流通及び情報提供収集活動に関しては両社がそれぞれ実施する、いわゆる1ブランド2チャネル方式で行う予定です。

協和発酵キリン プレスリリース
http://www.kyowa-kirin.co.jp/