今回の新たな効能・効果の追加および剤型追加の申請
エーザイ株式会社は、日本においてプロトンポンプ阻害剤「パリエット」(一般名:ラベプラゾールナトリウム、以下、ラベプラゾール)について、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制に関する新たな効能・効果の追加および5mg錠の剤型追加の申請を行った。
パリエット
1997年に日本で最初に発売され、現在、世界100カ国以上で承認されている。日本では、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎などにおけるヘリコバクター・ピロリの除菌補助などの効能・効果がある。
主な副作用として、発疹、じんま疹、かゆみ、下痢、軟便などが報告されている。
現在、日本において、プロトンポンプ阻害剤(1日1回投与)抵抗性逆流性食道炎に対する維持療法を対象としたフェーズ3試験が進行中である。
追加申請の背景
近年、高齢化社会において、心筋梗塞や脳梗塞の再発予防のために低用量アスピリンを長期間処方される患者が増加している。しかしながら、その一方で、低用量アスピリンの投与により、上部消化管粘膜を傷つけてしまうことが診療における課題となっている。低用量アスピリンは予防薬であることから、安易に休薬できないため、心血管系イベントの予防治療の効果を保ちながらも、上部消化管粘膜を傷つけないようにすることが臨床において、重要になっている。
比較試験
本効能・効果の追加申請に用いた、臨床第2/3相二重盲検比較試験は、低用量アスピリンの長期投与が必要で、かつ十二指腸潰瘍または胃潰瘍のかかったことがある患者を対象として実施された。その結果、ラベプラゾール5mg投与群および10mg投与群はともに、投与されなかった患者と比較して、胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発率が低下し、潰瘍の再発抑制効果を示した。安全性は今まで同様に確認され、想定外の新たな有害事象の発生もなかった。

「パリエット」新たな効能・効果の追加および5mg錠の剤型追加の申請(ニュースリリース)
http://www.eisai.co.jp/news/news201369.htmlエーザイ株式会社
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