TTR-FAPの末梢神経障害の進行抑制に対する国内初の新薬
ファイザー株式会社は、希少な難治性神経疾患であるトランスサイレチン型家族制アミロイドニューロパチー(TTR-FAP)の末梢神経障害の進行抑制に対する国内初の治療薬「ビンダケルカプセル20mg」(一般名: タファミジスメグルミン)を、発売する。
トランスサイレチン型家族制アミロイドニューロパチー(TTR-FAP)
TTR-FAPは、進行性の致死的な神経疾患で、国内の推定患者数は130名程度と考えられており、難治性疾患克服研究事業の対象疾患に指定されている。
TTR-FAPの患者さんでは、トランスサイレチンの遺伝子変異により、前駆タンパクであるトランスサイレチン4量体の解離および変性が生じる結果、アミロイドとして神経、心臓、腎臓などの器官に沈着することで、さまざまな機能が阻害される。多くの場合、病気は進行性で、最終的には寝たきりになり、発症から平均10年で死亡に至る。
従来、患者さんにとって疾患の進行抑制が期待できる唯一の治療法は肝移植だったが、ドナー不足、手術に伴う合併症の問題や術後長期にわたる免疫抑制剤投与の必要性等から、対象となる患者さんは非常に限られているのが現状である。
ビンダケル
「ビンダケルカプセル20mg」は、トランスサイレチン4量体の解離を抑制することでトランスサイレチンを安定化する薬剤であり、末梢神経の変性を引き起こすアミロイドの蓄積を抑制するメカニズムを有する。2011年11月に世界で初めてのTTR-FAPの末梢神経障害の進行を抑制する治療薬として欧州で承認された。日本では、2011年8月に第1相試験を開始し、2013年2月に製造販売承認申請した。
また、ビンダケルは厚生労働省から希少疾病用医薬品の指定を受け、優先審査として審査が進められたこともあり、申請から7ヵ月という非常に短期間で、本年9月20日に厚生労働省より製造販売承認を取得した。

「ビンダケルカプセル20mg」を新発売(ニュースリリース)
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2013/ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/index.html