全世界を対象とする独占的ライセンス契約
アステラス製薬株式会社と国立大学法人鳥取大学は、2018年3月6日、免疫賦活遺伝子搭載腫瘍溶解性ウイルスの開発・商業化に関する独占的ライセンス契約を締結したと発表した。
免疫賦活遺伝子搭載腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍組織にリンパ球が浸潤していない腫瘍に対する効果が期待されているウイルス。この契約は、全世界を対象とするもの。
鳥取大学医学部とアステラス製薬
鳥取大学医学部は、70年以上積み重ねてきた「山陰地方の医療の殿堂」としての歴史を持つ。著しい高齢化などの地域特性を生かした医学・医療への取り組みにより、独創的かつ先進的な教育・研究風土を醸成し、その成果は地域医療のみならず国際的にも高評価を獲得。生命の尊厳を重んじ創造性に富む医療人・生命科学者を育成している。
アステラス製薬は、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げる、東京の製薬企業。同社は、泌尿器・がん・免疫科学・腎疾患・神経科学を重点疾患領域として、事業を展開。また、科学の進歩を患者の価値に変えるべく、変化する医療の最先端に立ち、新技術・新治療手段を活用した創薬研究にも取り組んでいる。
既存の療法で奏功しない腫瘍にも、抗腫瘍免疫を誘導
腫瘍溶解性ウイルスは、選択的に腫瘍細胞内で増殖し、腫瘍細胞を破壊することで抗腫瘍効果を発揮するウイルス。免疫賦活遺伝子搭載腫瘍溶解性ウイルスは、この抗腫瘍効果に加えて、複数の遺伝子産物による自然免疫と獲得免疫の活性化による作用も、併せ持つ。既存のがん免疫療法で奏功しない腫瘍に対しても、抗腫瘍免疫を誘導することが期待されている。
両者は今後、産学連携を継続発展させることによって、新たな腫瘍溶解性ウイルスの開発を推進するとしている。
(画像はアステラス製薬の公式ホームページより)

鳥取大学とアステラス製薬 免疫賦活遺伝子搭載腫瘍溶解性ウイルスに関するライセンス契約を締結 - アステラス製薬株式会社
https://www.astellas.com/jp/ja/news/11531