治験第2相試験を速やかに開始する
日東電工株式会社は、2018年3月6日、特発性肺線維症治療薬「ND-L02-s0201」の米国IND申請が、米国FDA(食品医薬品局)より許可されたと発表した。
IND申請は「Investigational New Drug」の略称であり、米国における新薬臨床試験開始届けのことを指す。この許可を受けて同社は、「ND-L02-s0201」の治験第2相試験を速やかに開始するとしている。
特発性肺線維症と「ND-L02-s0201」
特発性肺線維症は、肺胞の壁(間質)が厚くなるという難治性疾患。肺胞に継続的にできる傷と、その修復のためにコラーゲンなどが増加することによって生じる。原因は未だ不明であり、予後も悪いため、日本では難病指定されている。
「ND-L02-s0201」は、HSP47を阻害する核酸医薬。HSP47(Heat Shock Protein 47)は、線維症の原因となるコラーゲンの生成や分泌を調節する作用を持つ。同剤は、siRNAを用いてこのHSP47を阻害し、特発性肺線維症の治療を行う。2015年10月にはFDAより、非アルコール性脂肪性肝炎およびC型肝炎に伴う肝線維症と肝硬変を対象疾患として、優先承認審査制度指定も受けていた。
難治性疾患の治療薬を、できるだけ早く提供
日東電工は、肝硬変をはじめとする臓器線維症治療薬の研究開発を、2008年より進めてきた。また2013年6月からは、肝硬変を対象とした治験も開始。2016年11月には、肝線維症・肝硬変を対象とした「ND-L02-s0201」の開発・製造および販売に関して、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と独占ライセンス契約も締結している。
同社は今後も、線維症やがんをはじめとした難治性疾患の治療薬を、多くの患者へできるだけ早く提供できるよう、取り組むとしている。
(画像は日東電工の公式ホームページより)

「ND-L02-s0201」 米国FDAによる特発性肺線維症治療薬IND申請の許可 - 日東電工株式会社
https://www.nitto.com/jp/ja/press/2018/0305.jsp