ヒトへの投与は初の試み
株式会社アンビシオンは2018年3月12日のニュースリリースで、2015年の創業以来、理化学研究所と共同で研究開発を進めてきたナチュラルキラーT(NKT)細胞標的がん治療の第1相医師主導治験を慶應義塾大学病院において開始したと発表した。
この治験は、理化学研究所の統合生命医科学研究センターの谷口克免疫制御戦略研究グループディレクターらが発見したNKT細胞による免疫細胞活性化のメカニズムを応用したもので、新規に開発した再生医療等製品を用いてNKT細胞標的がん治療の安全性・有効性を評価する。
この治験は、標準治療が無効、または標準治療が確立されていない進行・再発の固形がんの患者を対象に実施する予定で、ヒトへの投与は初の試みとなり、今回の治験によって、新たながん治療法の確立が期待されている。
NKT細胞活性化による新規治療法の開発
NKT細胞を活性化するこの治験製品について、1度の投与で約1年にわたる長期がん免疫記憶を作ることがマウスを用いた動物実験で確認されており、持続的にがんを攻撃し、その進行や再発、転移を抑制する効果が期待されている。
また、患者自身の血液から分離した免疫細胞を利用して製造することから、他人のものから作製する細胞製品と比較して、アナフィラキシーショックなどのアレルギー反応の心配が少なく、安全性に優位な治療製品とされている。
NKT細胞はヒトに共通で存在する唯一の免疫細胞であり、また、がんを直接攻撃せず患者自身のがん免疫機能を活性化する治療法であるため、全てのがん種、あらゆるヒトに治療効果が期待できる、新しい概念のがん免疫治療である。
(画像は株式会社アンビシオンのサイトより)

株式会社アンビシオン ニュースリリース
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