X染色体遺伝性低リン血症が適応症
協和発酵キリン株式会社は、8月24日、現在開発中の抗線維芽細胞増殖因子23(FGF23)完全ヒト抗体「burosumab」 について、共同開発先の米国ウルトラジェニクス社が米国食品医薬品局(FDA)に対して生物製剤承認申請を行ったと発表した。
この申請は、FGF23の過剰発現に由来した疾患であるX染色体遺伝性低リン血症(XLH)を、適応症とするもの。
ウルトラジェニクス社と共同で開発
協和発酵キリングループは、医療用医薬品における新薬事業をはじめとして、各事業が連携するユニークな事業基盤を活用し、高品質な製品やサービスを提供している企業。協和発酵キリンはその中核であり、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使し、画期的な新薬を継続的に創出している
「burosumab」は、協和発酵キリンにより発見されたFGF23に対する完全ヒトモノクローナル抗体。FGF23は、腎臓におけるリン排泄と活性型ビタミンD産生を制御することで、血清リンおよび活性型ビタミンD濃度を低下させる作用を持つ。同剤は、XLHおよび腫瘍性骨軟化症(TIO)を対象として、ウルトラジェニクス社と協和発酵キリンにより開発が行われている。
小児XLHに対するBreakthrough Therapyに指定
ウルトラジェニクス社は、2010年に設立されたバイオ医薬品企業。重篤な遺伝病へ特に焦点を当て、希少疾病や超希少疾病の治療薬となりうる新規製品の臨床開発と製品化を手がけている。
「burosumab」は2016年、FDAにより1歳以上の小児XLHに対するBreakthrough Therapy(画期的治療薬)に指定された。FDAは今後、同剤について今回行われた申請を評価し、申請から60日以内に申請受理可否を決定。その上で、審査終了目標日を指定するとしている。
(画像は協和発酵キリンの公式ホームページより)

burosumabの米国での承認申請に関するお知らせ - 協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/