菌状息肉腫およびセザリー症候群に対する指定
協和発酵キリン株式会社は、8月25日、同社が現在開発中の抗CCR4ヒト化抗体「モガムリズマブ」について、米国食品医薬品局(FDA)がBreakthrough Therapyに指定したと発表した。
この指定は、全身治療歴を有する成人の菌状息肉腫およびセザリー症候群に対するもの。菌状息肉腫およびセザリー症候群は、皮膚T細胞性リンパ腫の主な病型とされる。
世界初の販売承認を日本において取得
皮膚T細胞性リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫としては珍しいタイプの疾患であり、皮膚に病変が発生する。菌状息肉腫およびセザリー症候群では、皮膚の他にも血液・リンパ節・内臓などその他の組織へ、病状の進行に従い病変が現れる場合がある。
「モガムリズマブ」は、非ホジキンリンパ腫を含めた特定の血液がん細胞に頻繁に発現するCCケモカイン受容体4(CCR4)を標的とする、ヒト化モノクローナル抗体。抗体依存性細胞傷がい活性増強に関連する協和発酵キリンの技術「POTELLIGENT」を用いて、製造された。2012年3月には、再発性もしくは難治性CCR4陽性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療薬として、世界初の販売承認を日本において取得している。
重篤あるいは致命的な疾患の治療を推進すべく
FDAのBreakthrough Therapy指定制度は、重篤あるいは致命的な疾患の治療を推進すべく、新薬の開発および審査の促進を目的とするもの。指定を受けた薬剤は、FDAから効率的に開発プログラムを進めるためのガイダンスが得られると共に、経験豊富なFDAの担当が審査に携わるなどの優遇策が図られる。
今回の指定は、「モガムリズマブ」と対照薬を比較する国際共同第3相臨床試験の結果に基づき行われた。協和発酵キリンは現在、同試験結果の学会発表および論文発表に向け準備を進めている。
(画像は協和発酵キリンの公式ホームページより)

菌状息肉腫およびセザリー症候群を対象としてモガムリズマブをBreakthrough Therapyに指定 - 協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/