『British Journal of Ophthalmology』誌に発表
学校法人自治医科大学眼科学講座・髙橋秀徳准教授の研究チームは、8月17日、加齢黄斑変性治療中の炎症性サイトカイン減少を発見したと発表した。
同研究チームはこの成果を、『British Journal of Ophthalmology』誌において「滲出型加齢黄斑変性に対するラニビズマブ治療2ヶ月後の眼内サイトカイン濃度変化(著者:坂本晋一・髙橋秀徳・譚雪・井上裕治・野村陽子・新井悠介・藤野雄次郎・川島秀俊・柳靖雄)」として発表している。
先進国において失明原因第1位の疾患
同研究チームが今回発見したのは、滲出型加齢黄斑変性に対する抗血管内皮増殖因子治療において、血管内皮増殖因子に限らず多くの炎症性サイトカインでの眼内濃度が激減しているという事象。
滲出型加齢黄斑変性は、先進国において失明原因第1位となっている疾患。「ラニビズマブ」など抗血管内皮増殖因子薬の硝子体注射により、ここ数年は失明患者が減少しているが、治療中の眼内変化など不明な点も未だ多いとされている。
より有効な治療と少ない副作用を目指して
同研究チームは今回、加齢黄斑変性の治療導入期における3ヶ月毎月連続投与に着目。1回目と3回目の前房中濃度を測定し、炎症性サイトカイン濃度が正常例以下まで減少していることを突き止めた。そしてこの成果より、抗炎症治療の併用は経験則通り意義が乏しく、炎症性サイトカイン抑制による長期予後悪化がないか今後の検討が必要であるとしている。
同研究チームは今後も、より有効な治療と少ない副作用を目指して、更に研究を進めるとしている。
(画像は自治医科大学の公式ホームページより)

[医学部] 加齢黄斑変性治療中の炎症性サイトカイン減少を発見 - 学校法人自治医科大学
http://www.jichi.ac.jp/news/research/2017/20170817.html