中澤徹教授らのグループによる成果
東北大学は、8月21日、同学の研究グループが緑内障患者における全身の抗酸化力と緑内障重症度の関係を明らかにしたと発表した。
この成果は、同学大学院医学系研究科眼科学分野・中澤徹教授らのグループによるもの。緑内障治療の一助となることが期待される成果だという。
酸化ストレスが関与する可能性に注目が集まる
緑内障は、網膜神経節細胞が障害されて視野が狭くなる疾患。日本人における中途失明原因の第一位となっている。治療は、点眼薬や手術によって眼圧を下げることが第一選択となっているが、眼圧制御が良好であっても病状が進行する緑内障患者は少なくない。眼圧以外の因子が、発症に関わっている可能性があった。
近年は、緑内障の発症・進行において酸化ストレスが関与する可能性について、同研究グループの以前の報告を含め注目が集まるようになっている。酸化ストレスは、生体内で発生した活性酸素が自身の持つ抗酸化力を上回ると、タンパク質・脂質・核酸などを阻害し、細胞機能低下を引き起こす原因となる。
酸化ストレスに打ち勝つ抗酸化力
同研究グループは今回、酸化ストレスに打ち勝つ抗酸化力に着目し、緑内障重症度との関係を調べた。結果、65歳以下の男性では、抗酸化力が低いと緑内障が重症化しやすいことを明らかにしている。
同研究グループはこの研究によって、活性酸素を消去する抗酸化力と緑内障重症度との関係が明らかになったとする。そして、抗酸化治療が緑内障治療の一助となることが期待されるとしている。
なお同研究成果は、8月14日に『Scientific Reports』に掲載された。
(画像は東北大学の公式ホームページより)

抗酸化力と緑内障重症度との関係を解明 - 東北大学大学院医学系研究科
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