薬物有害事象の頻度が高い高齢者
一般社団法人日本老年医学会は、8月8日、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」の全文公開を行った。
「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」は、高齢者において薬物有害事象の頻度が高く、重症例も多いことを背景として、2005年に初めて作成されたもの。今回公開された「2015」は、10年振りに全面改訂が行われたものとなっている。
「特に慎重な投与を要する薬物」
「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」の特徴としては、「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」および「開始を考慮するべき薬物のリスト」の作成が挙げられる。
「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」は、2005年の同ガイドラインにおいて「高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物のリスト」を改訂したものであり、米国のBeers基準および欧州のSTOPP(Screening Tool of Older Persons Prescriptions)と対比される。
欧州では、STOPPと同時にSTART(Screening Tool to Alert doctors to the Right Treatment)も定められており、リスク・ベネフィットバランスの観点から「2015」では「開始を考慮するべき薬物のリスト」の作成も追加されている。
日本医療機能評価機構のサイトにも掲載
「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」では、高齢者の薬物療法で遭遇する頻度の高い疾患・病態として、15の領域を設定。「糖尿病」「脂質異常症」「腎疾患」「筋・骨格疾患」「在宅医療」「介護施設の医療」「薬剤師の役割」の領域が新設され、系統的レビューを行っている。
なお同ガイドラインは、日本医療機能評価機構・Mindsのウェブサイトにおいても掲載されている。
(画像は日本老年医学会の公式ホームページより)

高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 - 一般社団法人日本老年医学会
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」全文公開とMinds掲載のお知らせ - 一般社団法人日本老年医学会
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/