消化器内視鏡的治療の領域において有効性を検証
株式会社スリー・ディー・マトリックスは、8月8日、吸収性局所止血材「TDM-621」の日本国内における治験を開始したと発表した。
同社は「TDM-621」について、医療機器としての治験計画届を本年4月11日付で独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出し、治験開始の手続きを進めていた。同治験では、消化器内視鏡的治療の領域において同材の有効性が検証される。
止血材使用が困難だった施術にも適用が広がる
「TDM-621」は、血液に触れると瞬時にハイドロゲルを形成する特性により、血管断面を物理的に塞いで止血を行う止血材。原料は、人体の構成成分である3種のアミノ酸から成るペプチド。化学合成により原料が製造されているため、動物由来の物質を完全に排除し、C型肝炎ウイルス等に感染するリスクがないという利点を持つ。
他にも「TDM-621」は、プレフィルドシリンジ製品で使用が簡便である点、使用後は洗い流しが可能な点、アミノ酸に分解されて速やかに体外に排出される点など、既存製品とは一線を画す製品特性を備える。これまで止血材の使用が困難であった施術においても適用が広がるため、医療従事者および患者のリスク・負担軽減が期待されている。
治験終了後はPMDAに製造販売承認申請
今回開始された「TDM-621」の国内治験では、消化器内視鏡的治療の領域において、従来の止血法と同材の比較が実施される。スリー・ディー・マトリックスは今後、国内複数の治験実施施設において治験を進め、概ね1年間の治験期間を予定。治験終了後は、PMDAに製造販売承認申請を行うとしている。
なお同社は「TDM-621」について、国内における独占販売権許諾契約を扶桑薬品工業株式会社と締結しており、製造販売承認取得後には製品販売も計画している。
(画像はスリー・ディー・マトリックスの公式ホームページより)

吸収性局所止血材(TDM-621)の国内での治験開始のお知らせ - 株式会社スリー・ディー・マトリックス
http://www.3d-matrix.co.jp/