3種のオンコアンチゲン由来のペプチドワクチンに関する契約
オンコセラピー・サイエンス株式会社は、8月2日、小野薬品工業株式会社との間で締結していたがん治療用ペプチドワクチンに関する契約を、終了すると発表した。
この契約は、3種のオンコアンチゲン由来のペプチドワクチンに関して、日本・韓国・台湾における独占的な開発・製造・販売権をオンコセラピー・サイエンスが小野薬品へ供与するもの。
より治療効果が高く副作用の少ないがん治療薬を
オンコセラピー・サイエンスは、より治療効果が高く副作用の少ないがん治療薬・治療法を早急に患者へ届けることを目指して、設立された。
同社は、ジェノミックスを医療分野にもたらした現シカゴ大学教授・中村祐輔氏との共同研究により、がん治療薬開発に適した標的分子を同定。それら標的に対する低分子医薬やがんペプチドワクチン、抗体医薬の研究開発を推進している。
ペプチドワクチンは、抗原ペプチドを接種することで患者自身の細胞傷害性T細胞(CTL)を活性化させる免疫療法の一種。がんは、「目印」となる抗原ペプチドをHLA分子によって細胞表面へ提示している。ペプチドワクチンは、この「がんの目印」を認識するようにCTLを教育。教育され増殖したCTLは、がん細胞を見つけて殺傷する。
免疫療法の発展に有効活用
オンコセラピー・サイエンスは、オンコアンチゲンやネオアンチゲンを利用した免疫療法が、がん臨床領域での個別化医療の実施において大きな役割を果たすと考える。今回の契約終了によって権利返還されるオンコアンチゲン由来のペプチドワクチンについても、免疫療法の発展に有効活用するとしている。
なお契約終了は、今年9月4日をもって実施される。
(画像はオンコセラピー・サイエンスの公式ホームページより)

小野薬品工業株式会社とのがん治療用ペプチドワクチンに関する契約終了のお知らせ - オンコセラピー・サイエンス株式会社
http://www.oncotherapy.co.jp/