日本臨床腫瘍学会学術集会2017にて発表
タカラバイオ株式会社は、7月25日、腫瘍溶解性ウイルス「HF10」の国内第1相臨床試験結果を、第15回日本臨床腫瘍学会学術集会2017にて発表することを明らかにした。
タカラバイオは、「HF10」の臨床開発を国内外で実施しており、国内においては悪性黒色腫を対象にした第2相臨床試験や膵がんを対象にした第1相臨床試験を進行させている。
増殖によって直接的にがん細胞を破壊
腫瘍溶解性ウイルスは、正常な細胞内ではほとんど増殖しないが、がん細胞内では特異的に増殖するウイルス。増殖によって直接的にがん細胞を破壊するのみならず、感染および宿主の免疫活性化といった作用により、投与部位以外のがん縮小についても期待されている。
今回臨床試験結果が学会発表される「HF10」は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株であり、がん局所へ注入されることによって顕著な抗腫瘍作用を発揮する腫瘍溶解性ウイルス。タカラバイオは、2016年12月に大塚製薬株式会社との間で同ウイルスに関する国内独占的ライセンス契約を締結している。
2018年度の承認取得を目標に開発を推進
日本臨床腫瘍学会学術集会2017での発表は、「腫瘍溶解性ウイルスHF10の難治性表在性病変を有するがん患者に対する第1相臨床試験」という演題で行われる。同試験において「HF10」は、起因する有害事象が6例中3例に認められたがいずれもグレード1であり、用量制限毒性も認められなかったとしている。
タカラバイオは今後、2018年度の承認取得を目標に「HF10」の臨床開発を推進するとしている。
(画像はタカラバイオの公式ホームページより)

腫瘍溶解性ウイルスHF10の悪性黒色腫を対象とした国内第1相臨床試験の結果を日本臨床腫瘍学会で発表 - タカラバイオ株式会社
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=4459