田辺三菱製薬が導入したVMAT2阻害剤
田辺三菱製薬株式会社は、7月27日、小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)阻害剤「MT-5199」について、遅発性ジスキネジアを対象とした国内第2/3相臨床試験を開始したと発表した。
同剤は、田辺三菱製薬が米国ニューロクラインバイオサイエンス社より導入した薬剤。
ドパミン神経系の機能を正常化
遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬などを長期間服用することで起こる不随意運動。原因としては、ドパミンの感受性増加などが考えられている。症状は、「舌を左右に動かす」「口をもぐもぐさせる」など主に顔面へ現れるが、四肢や体幹部でも認められる。
「MT-5199」は、神経終末に存在するVMAT2を阻害する薬剤。ドパミンといった神経伝達物質のシナプス前小胞への取り込みを減少させ、不随意運動の発生に関わるドパミン神経系の機能を正常化させる作用を持つ。米国においては、ニューロクラインバイオサイエンス社が2017年4月、遅発性ジスキネジアを適応症として承認を取得している。
アンメットメディカルニーズに応える
今回開始された「MT-5199」の国内第2/3相臨床試験では、中等度または高度の遅発性ジスキネジア患者に対して同剤を最長48週間投与した際の有効性および安全性が検証される。有効性の主要評価項目は異常不随意運動評価尺度(AIMS)スコアの変化量。ベースラインから投与6週後までのAIMSスコア変化量を、プラセボと比較する。
田辺三菱製薬は今後も、アンメットメディカルニーズに応える新製品の開発に対して、積極的に取り組むとしている。
(画像は田辺三菱製薬の公式ホームページより)

MT-5199の遅発性ジスキネジア患者を対象とした国内第2/3相臨床試験開始のお知らせ - 田辺三菱製薬株式会社
http://www.mt-pharma.co.jp/