早期診断や新たな治療法の確立を目指す
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、7月21日、国立大学法人京都大学との間で共同研究契約を締結したと発表した。
この共同研究は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期診断や新たな治療法の確立などを目指すもの。
現在の治療法では根本的に治せない
COPDは、慢性気管支炎や肺気腫を伴う肺の炎症性疾患。タバコ煙を主とする有害物質を長期間にわたって吸入曝露することにより発症する、恒常的な気流閉塞を示す生活習慣病の一つとされる。特徴的な症状としては、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や、慢性のせきやたんなどが挙げられる。
同疾患は進行した場合、呼吸不全や右心不全といった命に関わる症状を誘発する。しかしながら、現在の治療法ではQOLの改善や増悪の軽減は可能だが、病気を根本的に治すことができない。そのため、早期発見と早期治療、そして新たな根本的な治療法の確立が望まれている。
COPDの機構分子レベルから理解
今回契約が締結された共同研究において京大側は、同大大学院医学研究科呼吸器内科学・佐藤篤靖助教の研究グループが、共同研究者の田辺直也特定助教と共に参加する。佐藤助教の研究グループは、COPDを中心とした呼吸器関連疾患について、肺の恒常性に着目した研究を推進。多くの重要な知見により、研究の進展に貢献してきた実績を持つ。
今回の共同研究でも同グループは、COPDの発症および進展に重要な機構を、細胞の分子レベルから理解するとしている。
(画像は日本ベーリンガーインゲルハイムの公式ホームページより)

京都大学とのCOPDの早期診断や新たな治療法の確立を目指した共同研究について - 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
https://www.boehringer-ingelheim.jp/