NKT細胞のがん免疫とは異なるメカニズムに着目
株式会社アンビシオンは、7月13日、IgE産生抑制を作用機序とする新規アレルギー疾患治療薬に関する共同研究契約を、国立研究開発法人理化学研究所との間で締結したと発表した。
アンビシオンは、免疫細胞であるNKT細胞を標的としたがん免疫治療の開発に取り組んできた企業。今回の契約締結により、NKT細胞のがん免疫とは異なるメカニズムに着目した創薬も手がけることとなる。
NKT細胞の働きを介し、IgE抗体の産生を抑制
アレルギー疾患に対する治療法や医薬品は、アレルギー応答の後期を標的にした対症療法である場合が多い。そのため、根本的な治療に至らないのが現状となっている。
今回の共同研究においてアンビシオンと理化学研究所は、根本的治療となり得る新規治療薬の創薬を目指す。免疫システムにおいて多様な役割を担うNKT細胞の働きを介し、IgE抗体の産生を抑制することで、創薬を実現するという。
「自然免疫系」と「獲得免疫系」を同時に活性化
NKT細胞は、T細胞・B細胞・NK細胞に続く、第4のリンパ球。先天的に備わっている「自然免疫系」と、生後獲得していく「獲得免疫系」の両方を、同時に活性化する作用を持つ。長期にわたり抗腫瘍効果を発揮する「長期免疫記憶」の誘導において、中心的な働きを担う。
アンビシオンは今回の共同研究について、がん免疫治療の開発を通じて培ってきたNKT細胞に関する知見を、新たなメカニズムに着目したアレルギー治療薬の開発で活かせるとして、喜ばしく思うとしている。
(画像はアンビシオンの公式ホームページより)

理化学研究所との新規アレルギー疾患治療薬に関する共同研究契約締結 - 株式会社アンビシオン
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