黄色ブドウ球菌の薬剤耐性遺伝子を検出
東洋紡株式会社は、6月15日、黄色ブドウ球菌の薬剤耐性遺伝子を1時間以内で検出できるキットの販売を開始すると発表した。
同キットは、全自動遺伝子解析装置「GENECUBE」用の体外診断用医薬品「ジーンキューブ mecA」。販売は、6月19日より開始される。
従来法では約2日もの時間がかかっていた
ブドウ球菌は、人間の皮膚や鼻腔内などにいる常在菌。健康な状態では特に害を及ぼすことはないが、免疫力が低下すると、感染症を引き起こすことがある。重症化すると、敗血症などを引き起こし、死に至る場合もある。
ブドウ球菌の中では、抗菌薬が効きにくいメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が存在する。このメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に感染した場合、治療法は限定される。そのため、感染症がMRSAに起因するかどうかを検査する必要がある。しかし従来法では、検査結果が出るまで約2日もの時間がかかっていた。
黄色ブドウ球菌の新たな発生も抑える効果も
「ジーンキューブ mecA」は、薬剤耐性の原因となるメチシリン耐性遺伝子を、1時間以内に検出できるというもの。導入により、治療の早い段階において適切な抗菌薬の選択が可能となり、患者の早期回復が期待できるとしている。また、薬剤耐性を持つ黄色ブドウ球菌の新たな発生も抑える効果も期待できるという。
東洋紡は「ジーンキューブ mecA」について、2020年度に1億円の売り上げを目指すとしている。
(画像は東洋紡の公式ホームページより)

黄色ブドウ球菌の薬剤耐性遺伝子を1時間以内で検出できるキットを販売開始 - 東洋紡株式会社
http://www.toyobo.co.jp/news/2017/release_7779.html