第3相臨床試験における全生存期間データを発表
MSD株式会社は、6月13日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」がPD-L1高発現患者の転移性非小細胞肺がんの初回治療において化学療法よりも優れた全生存期間を示したと発表した。
この発表は、米メルク社が米国東部時間6月5日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。同リリースでは、同剤の第3相臨床試験における全生存期間データが発表されている。
がんによる死因の第1位
肺がんは、肺の組織において発生するがん。通常は、気道の内側を覆う細胞内において発生する。その死亡者数は、大腸がん・乳がん・前立腺がんの死亡者を合わせた数よりも多い。世界中において、がんによる死因の第1位となっている。
肺がんは、小細胞肺がん(SCLC)と非小細胞肺がん(NSCLC)の二つに大別される。後者のNSCLCは、肺がんのなかでも患者数が最も多く、全肺がんの約85%を占める。全ての進行または転移性肺がんを合わせた5年生存率は、わずか2%と推定されている。
死亡リスクを、化学療法に比べて37%減少
「キイトルーダ」は、米国を含む50カ国以上で承認を取得し、現在は500以上の臨床試験において30種類以上のがんの検討が行われている薬剤。
今回発表されたのは、PD-L1高発現(腫瘍細胞のうちPD-L1陽性細胞の割合が50%以上)のNSCLC患者を対象とする、同剤の第3相臨床試験、KEYNOTE-024試験の最新全生存期間データ。同試験では、初回治療における単独療法として、同剤と化学療法が比較された。
同試験において「キイトルーダ」は、EGFR遺伝子変異またはALK転座が見られない扁平上皮および非扁平上皮NSCLC患者の死亡リスクを、化学療法に比べて37%減少。化学療法よりも良好な転帰につながることを示している。
(画像はMSDの公式ホームページより)

キイトルーダ PD-L1高発現患者の転移性非小細胞肺がんの初回治療で化学療法よりも優れた全生存期間を示す - MSD株式会社
http://www.msd.co.jp/