「アベマシクリブ」第3相試験において示された
日本イーライリリー株式会社は、6月6日、「アベマシクリブ」と「フルベストラント」の併用療法が、進行乳がんにおいて無増悪生存期間を有意に改善したと発表した。
この発表は、米国イーライリリーが米国現地時間6月3日に発表したリリースを翻訳したもの。同併用療法の今回の結果は、同社が実施した「アベマシクリブ」第3相試験において示された。
がん細胞の増殖を制御する経口細胞周期阻害剤
多くのがんは、CDK4およびCDK6のシグナル伝達増強により、細胞周期の制御が喪失されることにより生じる。「アベマシクリブ」は、このCDK4およびCDK6を特異的に阻害することで、がん細胞の増殖制御を目的とする経口細胞周期阻害剤。
同剤は2015年、米国食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Therapy Designation に指定された。この指定は、進行または転移性乳がんの女性患者を対象として同剤の有効性と安全性を検討したイーライリリーの第1相試験データに基づくもの。現在は、乳がんを対象とする試験に加えて、肺がんを対象とする第3相試験も行われている。
腫瘍縮小効果が認められた
イーライリリーが実施した「アベマシクリブ」第3相試験では、進行乳がんの女性患者を対象として、「アベマシクリブ」「フルベストラント」併用療法と「フルベストラント」単独療法が比較された。
結果、「アベマシクリブ」「フルベストラント」併用療法は無増悪生存期間を有意に改善。また、「フルベストラント」単独療法群に比べて腫瘍縮小効果が認められたとしている。
(画像は日本イーライリリーの公式ホームページより)

進行乳がんにおいて無増悪生存期間が有意に改善した アベマシクリブ第3相試験 - 日本イーライリリー株式会社
https://www.lilly.co.jp/