2年間の治療を完了した患者で生存期間が継続して改善
米メルク社が米国東部時間2017年6月2日、抗PD-1抗体キイトルーダ(R)(一般名:ペムブロリズマブ)について、切除不能または転移性悪性黒色腫患者を対象として評価した第3相臨床試験KEYNOTE-006試験における全生存期間(OS)の長期データを新たに発表したことを、MSDが2017年6月7日のニュースリリースで伝えた。
この長期データでは、治療歴のない患者または進行性悪性黒色腫の治療を1回受けた患者に対し、イピリムマブと比較してキイトルーダ(R)を単独療法として投与した患者で生存率の改善を維持、また、キイトルーダ(R)による2年間の治療を予定通り完了した患者において生存期間の改善が継続して認められた。
また、この長期データはシカゴで2017年6月2日~2017年6月6日に開催した2017年米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO 2017)の口頭セッションにおいて2017年6月4日に発表された。
死亡リスクが30%減少
キイトルーダ(R)群では50%(556例)が治療開始から3年近く(33.9カ月)生存したのに対し、イピリムマブ群では39%(278例)(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.58-0.86)であった。
また、33.9カ月時点の無増悪生存率がキイトルーダ(R)では2倍近くとなっており、イピリムマブ群の14%に対し、キイトルーダ(R)群では31%の患者が疾患進行なく生存した。
日本国内でキイトルーダ(R)は、根治切除不能な悪性黒色腫及びPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能・効果で承認を取得し発売を開始、さらに治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能・効果で厚生労働省から『先駆け審査指定制度』施行後初めての対象品目の一つに指定されている。
(画像はMSD株式会社のサイトより)

MSD株式会社ニュースリリース
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