選択的IDO1酵素阻害剤と抗PD-1抗体
MSD株式会社は、6月8日、進行非小細胞肺がん患者を対象とした第1/2相臨床試験において、「epacadostat」と「キイトルーダ」との併用療法の効果が認められたと発表した。
この発表は、米メルク社が6月3日に発表したリリースを翻訳したもの。「epacadostat」は、Incyte社の選択的IDO1酵素阻害剤。「キイトルーダ」は、抗PD-1抗体。同試験は、両剤の併用療法を検討すべく行われているもの。
「epacadostat」と「キイトルーダ」
「epacadostat」は、がん免疫微小環境を制御することによって、がんに対する効果的な免疫反応を回復させる薬剤。単群試験では、切除不能または転移性悪性黒色腫患者において免疫チェックポイント阻害剤との併用療法という概念実証が示されている。
「キイトルーダ」は、主としてT細胞に発現する受容体であるPD-1と、腫瘍細胞に発現するリガンドPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害する抗PD-1抗体。PD-1に結合し、この受容体とリガンドとの結合を阻害することで、腫瘍細胞のPD-1経路を介する抗腫瘍免疫応答の阻害を解除する。
2017年米国臨床腫瘍学会年次総会でも発表
進行非小細胞肺がん患者を対象とする同試験において、「epacadostat」と「キイトルーダ」との併用療法は、35%という奏効率を示した。
なおこの結果は、シカゴにおいて開催された2017年米国臨床腫瘍学会年次総会にて、6月3日午後にポスター発表が行われている。
(画像はMSD株式会社の公式ホームページより)

臨床試験においてepacadostatとキイトルーダとの併用療法の効果が認められる - MSD株式会社
http://www.msd.co.jp/