膵がんを対象とする第1相臨床試験
タカラバイオ株式会社は、6月1日、膵がんを対象とする腫瘍溶解性ウイルス「HF10」の国内第1相臨床試験について、治験計画届を医薬品医療機器総合機構に提出したと発表した。
この計画届は、5月31日に提出されている。
がん細胞内では特異的に増殖する
腫瘍溶解性ウイルスは、正常な細胞内ではほとんど増殖しないが、がん細胞内では特異的に増殖するという性質を持つ、制限増殖型ウイルス。
同ウイルスは、増殖によってがん細胞を直接的に破壊する。また、破壊の際に放出されたウイルスが周囲のがん細胞に感染することで、投与部位以外のがんをも縮小する。現在は、単純ヘルペスウイルス1型のほか、アデノウイルス、ワクシニアウイルスなどから作られた腫瘍溶解性ウイルスの開発が行われている。
国内における早期承認を目指す
「HF10」は単純ヘルペスウイルス1型の自然変異弱毒化株。がん局所に注入することにより、顕著な抗腫瘍作用を示す。
今回治験計画届が提出された試験では、切除不能進行膵がんを対象とし、同ウイルスと既存の化学療法剤を併用した際の安全性などの評価が行われる。MDAによる治験計画届の受理後、試験実施施設の治験審査委員会による審査を経て、被験者登録・投与が開始されるという。
同社は今後、国内における「HF10」の早期承認を目指すとしている。
(画像はタカラバイオの公式ホームページより)

膵がんを対象とした腫瘍溶解性ウイルスHF10の国内第1相臨床試験 治験計画届提出のお知らせ - タカラバイオ株式会社
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=4211