タウ・タンパク質を標的とする抗体
MSD株式会社は、5月26日、同社の親会社である米メルク社(Merck & Co., Inc.)が、タウ・タンパク質を標的とする抗体の臨床試験候補薬について帝人ファーマと世界的な独占的ライセンス契約を締結したと発表した。
この発表は、メルク社が米国東部時間5月25日に発表したニュースリリースを翻訳したもの。
アルツハイマー病に関与しているタウ・タンパク質
タウの変化は、アルツハイマー病(AD)など多くの神経系疾患に関与していると報告されている。
メルク社は現在、AD患者における神経原線維変化病理がもたらす脳への負担を数値化するPETイメージング薬、アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素1低分子阻害剤などを開発している。
メルク社は、抗タウ抗体の臨床試験候補薬の開発において、帝人ファーマが重要な進展を遂げてきたと評価。この抗体が加わることで、メルクのAD治療に対する候補薬ポートフォリオは大きく拡大するとしている。また帝人ファーマも、この抗体のポテンシャルを最大化することにメルク社は最も適していると評価している。
重要な治療選択肢の開発に取り組む
今回の契約に基づきメルク社は、世界における抗タウ抗体の開発・製造・製品化の独占的権利を取得。対価として、帝人ファーマに一時金やマイルストーンを支払う。
メルク社は今後も、ADなどの神経疾患の治療に対して、重要な治療選択肢の開発に取り組むとしている。
(画像はMSDの公式ホームページより)

タウ・タンパク質を標的とする抗体の臨床試験候補薬で帝人ファーマと世界的な独占的ライセンス契約を締結 - MSD株式会社
http://www.msd.co.jp/