タンパク質間相互作用、すなわちPPI
株式会社 医学生物学研究所は、5月22日、革新的な創薬探索技術の確立に関する共同研究契約を、シンガポールのp53 Laboratoryとの間で締結したと発表した。
この契約は、タンパク質間相互作用(以下「PPI」)を標的とした創薬探索技術の確立を目指して締結されたもの。
PPIを標的とした創薬への関心が高まる
新規創薬標的の枯渇が懸念される昨今の状況において、PPIを標的とした創薬への関心が高まっている。
既存の創薬標的は、ヒト体内における全タンパク質中、2割程度に留まると見積もられてきた。しかしPPIを標的とすれば、残り8割を占める「未開の地」へ足を踏み入れることが可能になるという期待から、多くの製薬企業がPPI創薬に取り組み始めている。
これまでPPIは、化合物が入り込むための深いポケットが少なく、薬の活性向上が難しいとされてきた。しかし近年は、スクリーニング技術や計算科学が発展。医薬品になる物質がより多様化し、PPIを標的とする創薬も実現可能になっている。
PPIを可視化する技術「Fluoppi」を利用
医学生物学研究所とp53 Laboratoryの今回の共同研究では、PPIを可視化する技術「Fluoppi」を用いて、細胞内PPIを標的とした医薬候補ペプチドの細胞膜透過性とPPI阻害効果を同時に検証する。「Fluoppi」は、医学生物学研究所が開発した技術。細胞内PPIは、p53 Laboratoryが保有するものを使用する。
医学生物学研究所はこの共同研究により、PPI標的薬とペプチド医薬分野の創薬を加速するとしている。
(画像はプレスリリースより)

革新的な創薬探索技術の確立を目指してp53 Laboratoryとの共同研究を開始 - 株式会社 医学生物学研究所
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