ペプチドを用いるHPVの抗ウイルス薬の創製
富士フイルム株式会社(以下、富士フイルム)は5月15日、ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)に対する抗ウイルス薬の開発を株式会社ファンペップ(以下、ファンペップ)と共同で行うことを発表した。
HPVは、皮膚疾患に関わりのあるウイルスで、尋常性疣贅といった手足や膝、顔にできるイボや外陰部、肛門周辺にできる尖圭コンジローマというイボなどを引き起こす。
皮膚や粘膜の傷口から接触感染によって発症すると言われ、主な治療は、凍結療法、レーザー治療などの外科的治療法や体の免疫力を高める薬剤投与による薬物療法だが、HPV自体に直接働きかける医薬品はないのが現状だ。
今回の共同開発で、富士フイルムとファンペップは、ペプチドを用いるHPVの抗ウイルス薬の創製を目指す。
それぞれの強みを活かし新しい創薬へ
ペプチドはアミノ酸がつながったタンパク質の断片で、ホルモン作用や神経伝達作用、抗菌作用など体内において様々な働きを持つ。
この生体内のペプチドを参考に人工的にペプチドを造り作り、人体に有効に作用する創薬は副作用が少ないこと、化学合成による製造が可能で、細胞膜透過性に優れている中分子医薬品として、注目されている。
共同研究は、富士フイルムが合成、設計した候補化合物をファンペップが評価していく予定。
(画像は富士フイルム株式会社HPより)

富士フイルム株式会社 ニュースリリース
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