実験動物の血液検体を分析する製薬会社に向けて
株式会社 島津製作所は、5月15日、新薬開発向けのマイクロサンプリングデバイス「MSW2」を、同社グループ会社の株式会社 島津テクノリサーチと共同で発売した。
同デバイスは、実験動物からの血液採取量を抑えて血漿を容易に分取することが可能なもの。新薬開発などを目的に実験動物の血液検体を分析する製薬会社などに向けて、発売するという。
求められてきた「3Rs」原則の徹底
新薬の開発工程では、膨大な数の動物実験が必要となる。そのため、実験動物に代わる手法を用いるか、あるいは苦痛を与えず利用を最小限に抑える「3Rs(Replacement、Refinement、Reduction)」原則の徹底が求められてきた。
近年は分析装置の能力向上も相まって、実験動物から採取する血液量をμLオーダーまで減らして「3Rs」徹底を目指す、いわゆるマイクロサンプリングの活用が広がっている。島津製作所および島津テクノリサーチはこうした状況を受け、血液採取量低減、血漿の分取とその後の処理の簡略化、そしてミスが起こりにくい検体の保管に貢献すべく、「MSW2」を開発したという。
23μLの血液から、最大で8.1μLの血漿を取り出す
「MSW2」は、血液検体を採取・保持するための樹脂製デバイス「Microsampling Wing」と、最大14個まで「Microsampling Wing」をセットできる専用のホルダから構成される。23μLの血液から、最大で8.1μL、通常で5.6μLの微量な血漿を、取り出すことができるという。
(画像はプレスリリースより)

新薬開発向け 血漿を容易に分取可能なマイクロサンプリングデバイス「MSW2」を発売 - 株式会社 島津製作所
http://www.shimadzu.co.jp/news/press/n00kbc000000bbio.html