アフィニティ精製工程にて用いられるプロテインA担体
JSR株式会社は、5月10日、抗体医薬精製用プロテインA担体「Amsphere A3」の生産能力を増強すると発表した。
「Amsphere A3」は、抗体医薬の製造におけるアフィニティ精製工程にて用いられるプロテインA担体。今回の生産能力増強は、製造設備の能力増強という形で行われる。
新規用途に加えて従来品の代替としても採用
JSRは、1957年に合成ゴムの国産化を目指して設立された企業。
同社は、合成ゴムからエマルジョンや合成樹脂へと石油化学系事業を展開するとともに、保有する高分子技術を活用して半導体材料・ディスプレイ材料・光学材料などへも事業を拡大。診断等試薬材料やメディカルポリマーを手がけるライフサイエンス分野にも注力している。
「Amsphere A3」は、JSRが保有する材料技術に加えて、2015年に同社が連結子会社化したKBI Biopharma, Inc.の抗体医薬製造技術開発力によって開発された製品。2016年1月に販売が開始され、精製効率の向上を可能にする特長が順調に市場に受け入れられ、新規用途に加えて従来品の代替としても採用され始めているという。
2019年までに生産能力は約6倍へ
「Amsphere A3」の生産能力増強は、ベルギーのJSRグループ会社であるJSR Micro NVに設備を新設する形で実施される。この新設は、欧州が抗体医薬品の重要なマーケットである点と、JSR Micro NVが同製品の主要原料を生産している点を考慮したためとしている。
この能力増強により「Amsphere A3」の生産能力は、2019年までに現在の約6倍となる予定だという。
(画像はJSRの公式ホームページより)

抗体医薬精製用プロテインA担体Amsphere A3の生産能力を増強 - JSR株式会社
http://www.jsr.co.jp/news/0000732.shtml