米国ファイザー社が4月27日に発表
ファイザー株式会社は、5月11日、次世代ALK/ROS1阻害剤「lorlatinib」が、ALK陽性転移性非小細胞肺がんを適応症として米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルー・セラピー指定を受けたと発表した。
この発表は、この資料は、米国ファイザー社が現地時間4月27日に発表したプレスリリースのを翻訳したもの。
腫瘍にさらなる遺伝子変異が生じる危険
非小細胞肺がんは、肺がん症例のおよそ85%を占める疾患。転移性のケースでは、未だに治療は困難となっている。同疾患患者の約57%は、転移または進行がみられる状態で診断されるが、このような状態での5年生存率は5%に過ぎない。
疫学的研究によると、非小細胞肺がんの腫瘍の約3~5%がALK(未分化リンパ腫キナーゼ)陽性であると考えられている。ALK遺伝子の再構成は、肺がんを誘発する遺伝子異常。腫瘍にさらなる遺伝子変異が生じて、がんが進行することは、ALK陽性転移性非小細胞肺がんの治療において大きな課題になっていた。
「lorlatinib」の開発を加速させる
「lorlatinib」は、現在開発中の次世代ALK/ROS1チロシンキナーゼ阻害剤。ALK遺伝子とROS1遺伝子の染色体再構成を有する非臨床肺がんモデルにおいて、高い活性を示した実績を持つ。また、他のALK阻害剤では抵抗性を示す変異腫瘍に対しても効果を発揮できるよう設計されている。
今回のブレークスルー・セラピー指定は、進行中の第1/2相臨床試験で示された有効性と安全性のデータに基づくもの。同社は今後、FDAと協力して同剤の開発を加速させるとしている。
(画像はファイザーの公式ホームページより)

lorlatinib、ALK陽性転移性非小細胞肺がんを適応症としてブレークスルー・セラピー指定 - ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/