全生存期間の有意な延長が認められず
中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は5月10日、免疫チェックポイント阻害剤アテゾリズマブの局所進行・転移性尿路上皮がんの臨床試験結果を発表した。
中外製薬は主要評価項目である全生存期間の有意な延長が認められなかったとしている。
アテゾリズマブは、T細胞の働きを阻害するPD-L1を標的としたモノクローナル抗体。2016年に米国食品医薬品局(FDA)から、局所進行・転移性尿路上皮がんの二次治療を適応として承認されている。
化学療法群と比較検討
今回発表されたのは同じく、局所進行・転移性尿路上皮がんの第3相臨床試験の結果だ。
プラチナ製剤投与後に憎悪した患者を対象に、vinflunine、パクリタキセル、ドセタキセルのそれぞれ投与群とアテゾリズマブ投与群とを比較し、有効性と安全性を確かめるために実施していた。
3週間毎に3つのプラセボとアテゾリズマブをランダムに投与したところ、アテゾリズマブの安全性プロファイルは確認できたものの、プラセボである化学療法群の成績の方が当初の予定より良好だったという。
また、アテゾリズマブの成績は前回実施されたIMvigor 210試験と同様だったとしている。
中外製薬はロシュ社と試験結果を把握し、共同で開発計画の検討をしていくとしている。
(画像は中外製薬株式会社HPより)

中外製薬株式会社 ニュースリリース
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