中皮腫の的確な診断に有用なマーカー
地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンターと国立研究開発法人日本医療研究開発機構は、4月26日、中皮腫の的確な診断に有用な新しい中皮腫がんマーカーを同定したと発表した。
従来の診断法よりも的確に発見
中皮腫は、アスベスト(石綿)を吸引することで発症する疾患。有効な治療法と診断法が未だ確立されておらず、アスベストによる代表的な健康被害として大きな社会問題となっている。
中皮腫の早期発見および的確な診断法の開発は、より有効な治療のための第一歩となる。神奈川県立がんセンターの研究グループは、そのための研究に挑み、診断に有用なマーカー(シアル化HEG1)を新たに発見した。
このシアル化HEG1を検出することで、従来の診断法よりも中皮腫細胞を的確に発見することが可能になるという。
分子標的治療への応用も考えられる
同研究グループは今回の成果が、中皮腫の早期治療や、アスベスト健康被害に関する迅速かつ適正な労災認定が可能にするものと自負。また、中皮腫に対する高い特異性を利用した分子標的治療への応用も、考えられるとしている。
同研究グループはこの成果について現在、株式会社LSIメディエンスと共同で中皮腫診断への適用および実用化の検討を進めている。
(画像はプレスリリースより)

中皮腫の的確な診断に有用な新しい中皮腫がんマーカーを同定 - 国立研究開発法人日本医療研究開発機構
http://www.amed.go.jp/news/release_20170426.html