肝移植を要する末期肝不全患者に向けて
ノバルティス ファーマ株式会社(以下、ノバルティス)は4月27日、免疫抑制剤(mTOR阻害剤)「サーティカン(R)錠」(以下「サーティカン」)について、「肝移植における拒絶反応の抑制」の効能追加の承認申請を行ったと発表した。
肝不全患者の中でも、他に選択可能な治療法がない末期肝不全患者にとって、唯一の治療法が肝移植だ。しかし、その臓器提供数は非常に限られていて、更に術後の合併症はときに生命に関わる場合もあり、適切な術後管理が必要とされる。
免疫抑制療法に「サーティカン」併用で、腎障害等を軽減
肝移植後の拒絶反応を抑制するために標準的に用いられているのは免疫抑制療法で、副腎皮質ステロイドの併用又は非併用下でカルシニューリン阻害薬(Calcineurin inhibitor、以下CNI)投与を行う。
ただし、CNI投与には腎機能障害等の副作用が見られる。そこでCNIと作用機序が異なる「サーティカン」を併用することで、肝移植後の拒絶反応を増加させることなくCNIの投与量を減量させるアプローチになり得るのだ。
CNIの投与量を減量できれば、結果としてCNIに特有の腎機能障害等の副作用の軽減が期待できる。
今回、ノバルティスが「肝移植における拒絶反応の抑制」の効能追加について承認を申請した「サーティカン」は、現在世界100か国以上で承認されており、日本でも既に「心移植及び腎移植における拒絶反応の抑制」を適応症として承認を取得している。
(画像はノバルティスファーマ株式会社 ホームページより)

ノバルティスファーマ株式会社 ニュースリリース
https://www.novartis.co.jp/