小児患者を対象とする第3相臨床試験
バイオジェン・ジャパン株式会社は、4月27日、遅発型脊髄性筋萎縮症(SMA)小児患者を対象とする「ヌシネルセン」第3相臨床試験のデータを、米国神経学会(AAN)の年次総会にて公表したことを発表した。
この発表は、米バイオジェン社が年4月24日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。同試験において「ヌシネルセン」は、運動機能の有意な改善を示したという。
脳脊髄液に直接届ける「ヌシネルセン」
SMAは、脊髄および下位脳幹において進行性の運動ニューロンが脱落し、重篤で進行性の筋萎縮や筋無力を引き起こす疾患。最も重篤なSMA患者は、最終的に麻痺状態となり、呼吸や嚥下など生命維持のための基本的な身体機能に支障をきたす場合もある。
「ヌシネルセン」は、SMAの治療薬としてグローバルレベルで開発が進められている薬剤。同剤は、髄腔内注射によって投与される。SMNタンパク質のレベルが不足することで、運動ニューロンの変性が起きているSMA患者の脳脊髄液に、直接治療薬を届けられる。
小児患者の運動機能において改善を示した
今回「ヌシネルセン」のデータ発表が行われたAAN年次総会は、4月22日から28日にかけて、マサチューセッツ州ボストンにて開催された。発表されたのは、第3相臨床試験である「CHERISH」試験の最終結果。
同試験において同剤は、遅発型SMA小児患者の運動機能において、未治療の小児患者と比較して統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善を示したという。
(画像はバイオジェン・ジャパンの公式ホームページより)

ヌシネルセンが遅発型脊髄性筋萎縮症の小児患者における運動機能の有意な改善を示す - バイオジェン・ジャパン株式会社
https://www.biogen.co.jp/