標準治療薬にベンラリズマブ追加で
アストラゼネカ株式会社は4月21日、重症気管支喘息をもつ日本人患者の治療として、標準治療薬にベンラリズマブを追加することで、喘息増悪頻度を減少し、呼吸機能および喘息症状の改善を示したことを、第57回日本呼吸器学会学術講演会で発表したと報じた。
これは、ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤ベンラリズマブ(遺伝子組み換え、以下「ベンラリズマブ」)の、第3相国際共同試験(以下「CALIMA試験」)サブ解析によるもので、同試験に参加した日本人患者83症例を対象に実施したもの。
CALIMA試験は、日本を含む世界11カ国で実施された無作為二重盲検並行群間プラセボ対象比較試験。
12歳から75歳の重症気管支喘息患者のうち、中用量から高用量の吸入ステロイド薬(以下、ICS)と長時間作用性β2刺激薬(以下、LABA)の併用療法を受けていてもコントロール不良(直前1年で2回以上の喘息増悪を経験)な患者、全1,306症例を対象にCALIMA試験が実施された。
日本人患者で、喘息憎悪を年間発生率を最大83%低下
ICSとLABA併用治療の追加療法として、ベンラリズマブ30mgを4週ごとに投薬する4週群と、最初の3回は4週ごと、その後8週ごとに投薬する8週群の2つの用量レジメンで、有効性と安全性が評価された。
日本人サブグループ解析においては、日本人の重症気管支喘息患者にベンラリズマブ56週間投与した場合、プラセボ投与群と比較して、喘息憎悪の年間発生率を最大83%低下し、呼吸機能は気管支拡張薬投与前の1秒間で最大334ml改善。また、症状を合計喘息症状スコアで最大0.24改善した。
なお、ベンラリズマブに対する日本人患者の忍容性は良好。有害事象はプラセボ群とベンラリズマブ群で同等で、そのほとんどが薬剤との関連性はないと判断されている。
(画像はアストラゼネカ株式会社ホームページより)

アストラゼネカ株式会社 ニュースリリース
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