中国国家食品薬品監督管理総局が指定
エーザイ株式会社は、2017年12月27日、抗がん剤「レンバチニブ」が肝細胞がんに係る適応について、中国国家食品薬品監督管理総局より優先審査に指定されたと発表した。
同社は同年10月に中国において承認を申請。既存の治療に比べ治療上の顕著なメリットを有すると判断され、今回の優先審査指定が行われたという。
肝がん死亡者は約38万人におよぶ中国
肝がんは、世界で年間約75万人が死亡している疾患。年間新規患者数78万人のうち、約80%がアジア地域に集中しており、特に中国においては年間新規患者数が約39万5000人、年間死亡者数は約38万人におよぶ。
肝細胞がんは、肝がん全体の85~90%を占める疾患。切除不能な肝細胞がんは、治療方法が限られた極めて難治性の疾患であり、新しい治療法が期待されていた。
「レンバチニブ」は、エーザイが創出した新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤。腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対して、選択的阻害活性を持つ。日本においては、「ニボルマブ」との併用による肝細胞がんを対象とした臨床第1b相試験が開始されている。
承認までの期間短縮が期待される優先審査
中国国家食品薬品監督管理総局による優先審査指定は、2016年2月より同国において実施されている制度。顕著な臨床的価値を持つ新薬などについて、研究・開発・上市の加速を目的としている。指定された新薬などは、承認までの期間の短縮が期待される。
エーザイは今後も、がん領域を重点領域の一つと位置づけ、革新的な新薬創出をめざすとしている。
(画像は写真素材 足成より)

レンバチニブ 中国国家食品薬品監督管理総局より優先審査に指定 - エーザイ株式会社
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