中外製薬が創製したALK阻害剤
中外製薬株式会社は、2017年12月21日、ALK阻害剤「アレセンサ」が、「成人ALK陽性進行非小細胞肺がんへのアレセンサ単剤での一次治療」について欧州委員会より承認を取得したと発表した。
「アレセンサ」は、中外製薬が創製したALK選択性の高い経口ALK阻害剤。今回の欧州における承認は、スイス・ロシュ社が取得している。
細胞死を誘導し、抗腫瘍効果を発揮
非小細胞肺がんの約5%では、ALK融合遺伝子の発現が報告されている。この融合遺伝子が発現している細胞は、恒常的にALKチロシンキナーゼ活性が上昇しており、細胞増殖が制御されない。そのため、細胞が腫瘍化していると考えられている。
「アレセンサ」は、このチロシンキナーゼ活性を選択的に阻害することにより、腫瘍細胞の増殖を阻害する作用を持つ薬剤。細胞死を誘導することにより、抗腫瘍効果を発揮する。また同剤は、薬剤を脳から能動的に排出するポンプである血液脳関門で認識されないため、中枢神経系においても活性を持つ。脳転移に対する有効性も、確認されている。
多くの患者の治療に貢献できる薬剤となる
「アレセンサ」は2017年2月、「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の転移性(進行)非小細胞肺がん」について、条件付き承認を取得していた。今回の一次治療での承認と合わせて二次治療についても完全承認となっている。
今回の承認取得により同剤は、日本・米国・欧州にて進行肺がんへの使用が可能となった。中外製薬は、「アレセンサ」が世界中の患者の治療に貢献できる薬剤となることを確信しているという。
(画像は中外製薬の公式ホームページより)

「アレセンサ」ALK陽性非小細胞肺がんへの一次治療として米国に続き欧州でも承認 - 中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/