米リリー社が12月8日に発表
日本イーライリリー株式会社は、12月15日、血管新生阻害薬「サイラムザ(ラムシルマブ)」の第3相試験RAINFALL試験におけるトップライン結果が発表されたことを明らかにした。
この発表は、米リリー社が12月8日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。
VEGF受容体2の活性化を阻害する
「サイラムザ」は、血管新生阻害薬。血管内皮増殖因子(VEGF)受容体2へ特異的に結合することにより、VEGF受容体リガンドであるVEGF-AとVEGF-C、そしてVEGF-Dの結合に競合し、VEGF受容体2の活性化を阻害する。動物モデルにおいては、血管新生の阻害を達成した。
RAINFALL試験は、HER2陰性の切除不能進行・再発胃腺がん、また胃食道接合部腺がん患者に対する一次治療として、「サイラムザ」+「シスプラチン」+「カペシタビン」併用投与の有効性を検証するもの。「カペシタビン」を服用することができない被験者に対しては、「5-フルオロウラシル(5-FU)」が投与されている。
今後も標準治療として用いられる
RAINFALL試験では、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)について、有意な延長が示された。しかし、副次評価項目である全生存期間(OS)の延長については、認められなかったという。同試験において認められた安全性プロファイルは、過去の試験において「サイラムザ」に認められたものと同様であり、グレード3以上の有害事象は高血圧・手足症候群・疲労だった。
米リリー社は「サイラムザ」について、世界中の切除不能進行・再発胃がん患者に対する二次治療において、今後も標準治療として用いられると考えているという。
(画像は日本イーライリリーの公式ホームページより)

サイラムザ切除不能進行・再発胃がんの一次治療における第3相試験トップライン結果を報告 - 日本イーライリリー株式会社
https://www.lilly.co.jp/