抗体医薬を介して薬物をがん細胞へ
第一三共株式会社は2017年12月8日のニュースリリースで、DS-8201(HER2に対する抗体薬物複合体(ADC))の第1相臨床試験における、HER2陽性及びHER2低発現の乳がん患者を対象とした安全性と有効性に関する最新データについて、米国サンアントニオで開催の乳がんシンポジウムで発表したことを伝えた。
今回の臨床試験のHER2陽性及びHER2低発現の乳がん患者を対象とした安全性については、グレード3の有害事象として、好中球数減少(10.4%)、白血球数減少(10.4%)等がみられた。
また、グレード4の有害事象として、好中球数減少(4.3%)、血小板数減少(2.6%)、貧血(0.9%)がみられ、さらにグレード5の有害事象として、肺臓炎の可能性のある2症例が報告され、評価委員会にて精査される予定となっている。
20以上の抗体薬物複合体(ADC)などを保有
DS-8201は、現在、HER2陽性の再発・転移性乳がんを対象とした第2相臨床試験を実施中であり、今回の試験で得られた最新データにより、HER2陽性乳がんに加えHER2低発現乳がんにおいてもその有用性が示唆されたことから、今後、HER2低発現乳がんを対象とした開発の次ステップについても検討する。
第一三共は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者のための革新的な治療を提供することを使命としていると述べている。
(画像は第一三共株式会社のサイトより)

第一三共株式会社ニュースリリース
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