「スニチニブ」単剤療法と比較
中外製薬株式会社は、12月11日、「アテゾリズマブ」と「アバスチン」による併用療法を評価するIMmotion151試験についてのプレスリリースを発表した。
IMmotion151試験は、未治療の局所進行または転移性腎細胞がん患者を対象として、同併用療法と「スニチニブ」の単剤療法を比較する第3相国際共同治験。
「アテゾリズマブ」と「アバスチン」
「アテゾリズマブ」は、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するPD-L1(programmed death ligand-1)と呼ばれるタンパク質を標的とする、モノクローナル抗体。PD-L1は、T細胞の働きを阻害する作用を持つ。同剤は、PD-L1を標的とすることでT細胞の抑制状態を解除し、T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進すると考えられている。国内では本年2月、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを適応として、厚生労働省への承認申請が行われた。
「アバスチン」は、血管新生を阻害する初めての治療薬。血管新生における重要な因子であるVEGF(血管内皮増殖因子)と呼ばれる生体内のタンパク質を標的として、がんの増殖と転移に不可欠な血液供給を遮断する作用を持つ。
承認申請にむけ迅速に準備を進める
IMmotion151試験では、915名の患者を「アテゾリズマブ」「アバスチン」併用療法群と「スニチニブ」単剤療法群にランダムで割り付け、比較検証が行われた。同併用療法群は、PD-L1の発現が認められる患者において無増悪生存期間を延長したという。
中外製薬は今後、同併用療法の承認申請にむけ、迅速に準備を進めるとしている。
(画像は中外製薬の公式ホームページより)

IMmotion151試験においてアテゾリズマブおよびアバスチンの併用療法が無増悪生存期間を延長 - 中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/