薬剤耐性のモニタリングなどの指標として
シスメックス株式会社は、12月11日、血中循環がん関連遺伝子変異を解析するサービス「OncoBEAM受託アッセイサービス(研究用)」を、日本においても提供を開始したと発表した。
同サービスは、BEAMing技術を用いて血液中に遊離した腫瘍DNA(ctDNA)の変異を解析するもの。ctDNA変異解析は、分子標的治療薬の効果予測や薬剤耐性のモニタリングなどの指標として、期待されている。
受託アッセイサービス体制の構築が望まれていた
近年、がんなどの診断や治療法選択においては、血液・体液などを用いたリキッドバイオプシーによる低侵襲な検査へのニーズが高まっている。リキッドバイオプシーの中でも、ctDNA変異解析は、臨床有用性の早期確立と臨床検査としての実用化に期待が寄せられていた。
こうした状況を受けてシスメックスは、個別化医療に向けたリキッドバイオプシー技術の開発に注力。BEAMing技術を用いた血液中に微量に存在するctDNAの検出について、多くの臨床エビデンスを蓄積した上で、ドイツおよびアメリカで「OncoBEAM受託アッセイサービス」の提供を開始している。日本国内においても、検体輸送の簡便化や結果報告の時間短縮などのニーズから、受託アッセイサービス体制の構築が望まれていた。
臨床検査としての実用化を促進する
国内における「OncoBEAM受託アッセイサービス(研究用)」の提供は、12月8日、神戸医療産業都市(ポートアイランド)に位置する伊藤忠メディカルプラザ内の「シスメックスIMPラボラトリー」にて、開始された。検体輸送にかかる負担軽減と、より迅速な結果報告が可能になると、同社はしている。
同社は今後、グローバルでBEAMing技術を用いたctDNA変異解析の臨床エビデンスをさらに蓄積し、リキッドバイオプシー検査の臨床検査としての実用化を促進するとしている。
(画像はシスメックスの公式ホームページより)

血中循環がん関連遺伝子変異を解析する「OncoBEAM受託アッセイサービス(研究用)」を日本でも開始 - シスメックス株式会社
http://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2017/171211.html