横浜市立大学などの研究グループによって解明
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)は、11月24日、DNAの傷を修復するタンパクを呼び込む新たなメカニズムが、横浜市立大学などの研究グループによって解明されたと発表した。
この成果は、横浜市立大学大学院生命医科学研究科・奥田昌彦特任准教授らが、名古屋大学環境医学研究所や長崎大学のメンバーと共同で実施した研究によるもの。
遺伝性疾患の発症メカニズム解明にとって重要
DNAの傷は、完全に回避することはできない。しかし身体細胞は、この傷を修復する「ヌクレオチド除去修復」なるシステムを持つ。
「ヌクレオチド除去修復」は、多くのタンパクが関わり多段階からなる複雑な過程を持つ。これらのタンパクの遺伝子変異は、紫外線高感受性症候群や色素性乾皮症、コケイン症候群や硫黄欠乏性毛髪発育異常症などの遺伝性疾患を発症させる。そのため、「ヌクレオチド除去修復」の各段階においてそれぞれのタンパクがどのような役割を果たしているのかを解明することは、遺伝性疾患の発症メカニズム解明にとっても重要となる。
新薬設計に有益な情報を提供する
今回の研究で同研究グループは、「ヌクレオチド除去修復」で知られている2つの経路のうち、転写に伴う方の経路におけるTFIIHのDNA損傷箇所への呼び込みを、UVSSAが担っていることを明らかにした。この研究成果は、新薬設計に有益な情報を提供することが期待されるものであると、同研究グループはしている。
なお同研究は、AMEDの「創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業」および文部科学省「先端研究基盤共用促進事業(共用プラットフォーム形成支援プログラム)NMRプラットフォーム」として実施されている。
(画像はプレスリリースより)

DNAの傷を修復するタンパクを呼び込む新たなメカニズムを解明 - 日本医療研究開発機構
https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/060120171124.html