増殖糖尿病網膜症の治療効果を評価
窪田製薬ホールディングス株式会社は、11月27日、増殖糖尿病網膜症に対する「エミクススタト塩酸塩」の臨床第2相試験について、最終被験者の来院を完了したと発表した。
同試験は、同疾患の治療における「エミクススタト」の効果を評価すべく、窪田製薬の100%子会社である米アキュセラ社が実施しているもの。
パラダイムシフトをもたらす可能性も
眼球の奥にある網膜には、「視覚サイクル」と呼ばれる仕組みが存在する。この「視覚サイクル」は、脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える仕組みであり、分子内反応を触媒する異性化酵素「RPE65」が不可欠となる。
「エミクススタト」は、この「RPE65」へ特異的に作用し、その働きを抑制する薬剤。この作用により、網膜疾患の原因と考えられているビタミンA由来の毒性代謝産物の生成や、網膜が低酸素状態になることを防止する効果が期待されている。
また同剤は、既存の硝子体内注射などの侵襲的な治療法とは異なり、経口で投与される。そのため、糖尿病網膜症の治療においてはパラダイムシフトをもたらす可能性もあるという。
データベースを固定してデータ解析へ
「エミクススタト」の臨床第2相試験は、増殖糖尿病網膜症患者18名が対象の多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験として、2016年4月より米国で実施されていた。評価項目は、増殖糖尿病網膜症に関連するバイオマーカーの変化と、網膜出血や血管新生、視力への効果。
同社は同試験について今後、データベースを固定してデータ解析を行うとしている。
(画像は窪田製薬の公式ホームページより)

「エミクススタト塩酸塩」の臨床第2相試験、最終被験者来院を完了 - 窪田製薬ホールディングス株式会社
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