ヒト型抗PD-L1抗体薬「バベンチオ点滴静注200mg」を発売
メルクセローノ株式会社(メルク)とファイザー株式会社は11月22日、共同開発のヒト型抗PD-L1抗体「バベンチオ点滴静注200mg」(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え)、バベンチオ)を発売した、と発表した。
メルケル細胞がん対する日本初承認の唯一の治療薬
メルケル細胞がん(MCC)は、神経終末部近くの皮膚最表層にできる悪性度の高い非常に進行が早い皮膚がんの一種。日本の患者数は、100人未満と推定され、希少ながんである。
MCCは、日光にさらされる頭頸部・腕などの皮膚に発生し、他の皮膚がんと誤診されやすい。リスク因子は、日光へのばく露、メルケル細胞ポリオーマウイルスへの感染などで、治療法には、手術・放射線・化学療法などがある。
バベンチオは、日本初のヒト型抗PD-L1(プログラム細胞死リガンド-1)抗体薬で、バベンチオとPD-L1が結合することにより、腫瘍細胞がPD-L1を利用できなくする。MCCに対する日本初承認の唯一の治療薬である。
転移性MCC患者を対象とした多施設共同第2相試験「JAVELIN Merkel 200」の結果に基づき、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受け、「根治切除不能なメルケル細胞がん」の効能・効果で承認取得している。
米国においては、米国食品医薬品局(FDA)から、2017年3月転移性MCCに対する治療薬、5月進行性尿路上皮がん(UC)に対する治療薬として承認取得した、とのこと。
また、胃がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、腎細胞がん、UCを対象とした多施設共同第3相試験を実施中、という。
(画像はプレスリリースより)

メルクセローノ株式会社のニュースリリース
http://www.merckserono.co.jp/